くさび式足場とは部材の接続部分に、「くさび」という金具をハンマーで打ち込んで組み立てる足場です。
一定間隔で鋼管(鉄パイプ)を建地(支柱)として立て、そこに水平材や斜材を固定して組み上げます。
従来は一般家屋などの低層建築で主に使われていましたが、近年では中層建築、
さらに一部の高層建築でも使われるようになりました。
そんなくさび式足場の組み方について紹介します。
クサビ式足場の特徴
まず、クサビ式足場は組立や解体が簡単なのが特徴です。
他の足場よりも約2割作業時間を短縮できるとされています。
またコンパクトに結束できるので、輸送コストを下げることが可能です。
さらに亜鉛メッキ処理が施されていることが多いので、サビに強く耐久性に優れているとされています。
最小限の人数で組み立てられる
くさび式足場では、現場の人数を極力減らしながらの施工が可能です。
一般的な足場工事では、レッカーを操作するスタッフが必要になります。
対してくさび式足場ならレッカーを操作するスタッフが不要なため、最小限の人数での作業が可能です。
現場スタッフの人数が少ない=人件費の削減につながります。
さまざまな形状の建物に対応できる
くさび式足場に使用するパーツは一つ一つが小さいため、さまざまな形状の建物に対応できます。
一言に建物といっても多様な形状があり、一般的な足場では対応しきれないケースも少なくありません。
対してくさび式足場は建物の状態ごとに組み立て方を変えられるため、現場の状況に合わせた施工が可能です。
「特殊な形状の建物だから、足場の組み立ては難しいかもしれない」
そんなお客さまにとって、メリットが高い方法といえるでしょう。
複雑な形状の建物に対して、資材の種類が豊富のため、小回りが利く
資材が大きくないのが特徴です。
複雑な建物の構造や狭い通路でも、幅を変えることができます。
くさび式足場の寸法や組み方
くさび式足場は使用基準や寸法があります。
ここでは基本的なものを紹介していきましょう。
まず高さは原則31m以下にすることで、超高層ビルなどの建築には使用してはいけません。
次に基準や寸法をざっと紹介していきましょう。
まず建築物の外壁と足場の作業床の感覚は30センチに以下に抑えることです。
足場の支柱は、桁行方向が1.85㎝以下、梁間方向が1.5m以下です。
これら以外にも、地上第一の布は2m以下に設ける等詳細な規定があります。
安全確保のために寸法を事前に調べてから設置しましょう。
組み方は基本的に、ブラケットのくさび部分をハンマーで叩いて固定していくものです。
1層、2層と高さに応じて設置していき、下屋足場の組み立て、支柱、火打梁、大筋かいの取り付け、
階段や踊り場といった昇降施設を取り付けていきましょう。
1.固定ジャッキ
足場の最下部に使用する資材。
ハンドルを回すことで上下の高さを調節します。
2.支柱
支柱はコマという緊結部が一定間隔ごとについている鋼管。
3.手摺
手摺はコマに緊結するためのくさびが左右についている鋼管。
4.踏板
左右2か所のフックを手摺やブラケットにかけて鉄鋼で作られた、踏んで渡る板。
以上の4つの資材が基本部材構成になります。
くさび式足場は地形が複雑で、
足場の形を工夫しなければいけない場所、複雑な形の建物の工事を行う際などにはうってつけの足場だといえます。
さらに、組み立てや解体が簡単ということは、当然工事中における足場の組み換えも楽だということです。
つまり、組み立てや解体に時間を必要とせず、
作業中に足場の形を変える必要が出た場合にも対応ができるということになります。
もちろん状況にもよりますが、うまく利用すれば作業時間の大幅な短縮が可能といえるのです。
またハンマーなど最小限の工具で設置することができる便利な足場です。
そのため、低層階の足場作りには必須のアイテムと言えるでしょう。
そんなくさび式足場は、便利な反面寸法に注意しないと危険な事故が発生しかねません。
そういった点に注意しながら、組み方を正しく行い、安全な足場確保を行いましょう。