足場には古来から丸太の棒を組み合わせたり、パイプを組み合わせたり、海外では竹などの部材を使って組み立てるといった多くの種類が存在します。
そのなかでも現代の足場工事で用いられることが多くなっているのがくさび式足場です。
仮設の設備として多くの現場で使用され、住宅の建設現場の施工時など安全に施工するための大きな助けとなっています。
そこで今回はくさび式足場とはどのようなものか、その概要や特徴を紹介し、運用する上での注意点について解説します。
くさび式足場とはどのような足場か?
くさび式足場とはどのような足場か、歴史や構造、現代の運用方法について解説しましょう。
くさび式足場の歴史:アメリカから伝わった足場
くさび式足場の歴史は昭和20年代後期にアメリカの建設関連用品の会社であるビディキャスホード社から輸入されたことが始まります。
現代でもくさび式足場をビティ足場あるいはビケ足場というのはビティキャスボード社に由来しています。
その後、昭和40年代から徐々に国産の動きが起こり、現在では国内メーカーのくさび式足場が多くを占めるようになりました。
くさび式足場の構成
くさび式足場の構成は次のような部材です。
・建枠(単管):金属の枠や単管、くさび式足場の基本的な部材
・ジャッキ:足場を支える金具の部分。仮設足場の安定性を高める
・筋交い:支柱と支柱の間に設置する部材。足場の補強を行う部材。
・ジョイント:単管同士を連結するための継手の金具として使用する。
・ピン:単管パイプ同士を連結する際に、パイプの抜けを防止するための金具
・アームロック:足場材の抜け止め、ジョイントの抜け止めの金具。建枠に差し込む。
・布板:アンチともいわれる。通路や作業板のこと。
・壁つなぎ:壁と足場をつなぐための金具。いくつかのタイプがある。
・手すり:単管などに接続して手すりとして使う部材。
これら以外にもさまざまな部材を使用して足場を組んでいきます。
現代の運用方法
くさび式足場は金具などを組み合わせて使用します。
そのため、簡易的な足場とみなされており、従来は木造家屋をはじめとした中高層向けの建物の工事に用いられていました。
しかし、現代では部材の改善や壁つなぎの改良によって安定感が増し、中高層向けの建物の工事に使用することが増えています。
これらのことからくさび式足場は徐々に注目度を増している足場といえるでしょう。
くさび式足場の特徴や注意点
くさび式足場の特徴や注意点も見ていきます。
くさび式足場の特徴
くさび式足場の特徴は「ハンマー一本で組み立てや解体できる」「部品をコンパクト化でできる」「さびや耐久性に強い」といった点が挙げられます。
まず、くさびで連結されている足場のため、くさびを打ち込むハンマーがあればすぐに組み立てや解体ができます。
次に金具を取り外すとコンパクトにまとめられるため、輸送しやすいことから現場に運び込む費用も少な目で住むという点も特徴です。
最後は耐久性に優れている点です。
いずれの部材も亜鉛メッキで処理されており、さびや耐久性にも優れているのが特徴です。
くさび式足場の注意点
くさび式足場の注意点は、高さ制限が設定されている点です。
組みやすく安定感もある足場ではあるものの基本的に高さが45メートル以下の範囲でしか利用できません。
このように運用面で利用できない現場もあることを知っておきましょう。
まとめ
くさび式足場は、昭和中期から日本でも利用されてきた足場の向上です。
今回紹介した特徴のように使いやすく、短時間で組み立てや解体ができるなどの魅力も兼ね備えています。
一方で、使用できない現場もあるため、その点は注意して利用する必要があります。
また、正確な使用方法を知らないと意味がないため、今回の基本的な特徴だけでなく、具体的な施工方法についても十分な知識や技術の習得が必要です。
くさび式足場の基本を押さえて安全な施工や利用をしましょう。