足場とは、建物や構造物の屋根や外壁作業といった高所での作業を行う目的で、作業員が作業をできるように設置される仮設の構造物をいいます。
足場は、さまざまな部材が使用され、単に作業できる環境を提供するだけではありません。
作業道具や資材を置くための場所やそれら一連の作業、役割を安全に行えるために用いられています。
今回は、足場を構成する基本的な部材と知っていると便利な部材の名称について解説します。
足場の主な部品を紹介
足場における主な部品について次の部品を解説します。
・支柱
・ブラケット
・手すり
・ジャッキ
支柱は、文字通り支柱となる鋼管(パイプ)です。
こぶと呼ばれる部材を結合する留め具がついており、多くの種類や長さが用意されています。
これを組み合わせることによって、多彩な形状の足場をくみ上げることが可能です。
なお、枠組足場の場合は建枠(たてわく)と呼ばれます。
ブラケットは、足場の板をはめる部品です。
板の下部分を支える部品として、板の安定性を高めるために重要な部材です。
特に足場が片側だけで作られている一側足場では大活躍する部品とされています。
手すりは文字通り足場の手すりとなる部品です。
支柱のこぶ部分に設置していき、作業員の落下防止に重要な役割を果たします。
支柱に合わせてバラエティに富んだ部材が用意されており、現場に応じて使い分けます。
ジャッキは、足場の基礎部分や屋根上、壁などで上下の高さをコントロールする部材です。
ジャッキベースと呼ばれる部品もあり、これは足場の最下層に付けるジャッキをいいます。
基本的にこれらの部材が挙げられます。
知っていると便利な足場の部品
次に紹介する部材は聞きなれない名前の部品ですが、いずれも主要な足場部品として重要です。
・アンチ
・ブレス
・方杖(ほうずえ)
・敷盤
アンチは、足場板や踏板と呼ばれる板部分を言います。
アンチがないと安全な作業もできないため、主な部材として用いられています。
もともと「アンチ」スリップメタルという製品名から来ている部品です。
ブレスは筋交いとも呼ばれています。
支柱と支柱に対して斜めに取りつける部材です。
足場を補強するのに重要な役割を果たしています。
方杖は支柱と横架材(横方向の支柱)とを斜めに結んで取付ける斜材(斜めに入れられる部材)です。
横架材を支える目的で入れていきます。
敷盤は、支柱を支える大元の土台をいいます。
敷盤を設置することで沈下を防げるため、強度の高い樹脂や金属などの部品が用意されています。
こういった部材は一見どのような用途に使われるかわかりませんが、使い方や名称が理解できれば、イメージしやすくなるでしょう。
足場の部品には安全基準がある
足場の部品には安全基準があります。
それは一般社団法人 仮設工業会などの足場業界と密接な関係のある団体で、それらの団体が足場部品を製造販売している企業に対して安全性のチェックを行っています。
ただ、一部の安価な部品については企業が安全性のチェックを受けていないものも多いので、リースなどで足場部材を借りる際にも安全基準をパスした部品かチェックしましょう。
そうすることで、安全で信頼のおける部品を足場に用いることが可能になります。
まとめ
足場は安全で確実な設置と管理が求められる仮設の設備です。
その目的を達成するための主な部材を紹介しました。
今回紹介した部材は、その一部といえます。
さらに実際は、これよりも多くの部材を利用して足場の組立が行われています。
もしわからない部材があれば、作業をしている方に直接聞くのも良いですが、可能であればメーカーや建材の卸売業者に確認するのもおすすめです。