外壁塗装工事やシーリング工事をしたことのある人なら分かるでしょうが、足場の仮設費用の負担が依頼主にはかかります。
それだけで考えてしまうと「足場の仮設はいらないのでは?」という方もいるかと思います。
そこで今回は、足場の仮設が必要になるワケや足場の設置基準についてわかり易くご紹介したいと思います。
もしかしたら足場の仮設に興味が湧くかもしれません。
足場が必要な理由について
足場の設置基準にもつながるのですが、足場を必要にする理由としては、「近隣住民への配慮」「作業効率アップ」そして「安全性」のためだといわれています。
ここから詳しくご紹介していきます。
作業効率アップになる
外壁塗装をするために例えば、脚立を使って行うとしたらどうでしょうか。
地面がぬかるんでいたら脚立は不安定です。
また、手の届く範囲の施工が終わるたびに脚立を移動させて作業を行うことにもなります。
そうなれば、時間も手間もかかってしまいます。
しかし、足場を仮設していれば、移動もスムーズです。それだけに作業効率を格段にアップできます。
近隣住民とのトラブル回避
足場の仮設には飛散防止ネットを施すことになります。
このネットとは工事中にホコリや塗料の飛散を防止するためのネットです。
これにより、住宅密集地のトラブルを回避できます。仮に強風によって塗料が飛び散っても、隣の敷地、外壁、車などに付着することを回避できます。
これにより近隣住民とのトラブルを防ぐことができます。
安全性のため
足場を設置する目的として、もっとも重要なのが作業員の安全の確保になります。
そのため、設置基準も設けられているほどです。
建設工事では工具を持ちながらの作業です。
足場が不安定だと作業中に転倒したり、工具を誤って落としてしまったりすることがあるかもしれません。
転落事故は高所作業で発生してはならないトラブルです。足場があるだけで、作業員の安全を確保でき、安心して作業ができます。
設置基準について
足場からの転落など、労働災害件数が問題視されるようになってから、労働安全衛生規則が改正されています。
作業するのに安全かどうかを判断するのは難しいので、足場の設置基準をしっかり設けているワケです。
足場における事故をなくすため、それを目指すために設置基準があるといっても過言ではありません。
足場の設置基準について
労働安全衛生規則という難しい規則があるのですが、なかなか一般の方には分かりづらいので、簡単に説明していきます。
・足場の幅
・床材の隙間
・床材と建地の隙間
こうした内容も細かく数値化されています。
また、作業内容に関しても周りが知っておかなければなりません。
さらに足場を設置しても、作業区域内には作業員以外が立ち入ることはできません。
悪天候の時にも工期に遅れが出るからと作業を行うことは禁止、作業中止もしなければなりません。
足場設置基準とはかけ離れている内容に見受けられますが、こうした内容は作業員の安全性を確保するために必要なことになります。
足場があることがリスクを減らせますが、足場の組み方やその周りに配慮することも必要不可欠なのです。
また、足場材の緊結や取り外しなどを行う場合にも設置基準として、幅40cm以上の作業床を設置しなければなりません。
30cmの作業床ではダメなのです。ちょっとした数値の違いが作業員の安全性に影響します。
なので、足場設置工事は何よりも重要な工事のひとつだといえるでしょう。
もちろん、ペナルティも発生する可能性があるので、ルールは守らなければなりません。
転落・墜落といった命に関わる重大な事故を一件でも減らし、安心安全な労働環境を実現していきたいですね。