住宅での高所作業の安全確保として用いられる足場。
この足場には様々な種類があります。
その中でも、特に用いられる機会が多いのが今回紹介するくさび式足場です。
このくさび式足場についてその概要を紹介し、足場部材の種類やタイプ別の特徴を紹介します。
これを読めばきっとくさび式足場について基本的なことがわかるでしょう。
1.くさび式足場とは?
くさび式足場とは、正式名称をくさび緊結式足場といいます。
一定間隔で緊結部を備えた単管を支柱にして手すりや筋交いなどの緊結部にくさびを用いるのが特徴です。
作業もしやすくハンマー1本で簡単に組み立てを行うことができます。
また、商品名からビケ足場という名前でも呼ばれています。
もともと低層住宅の建設に用いられる足場でした。
しかし、近年では中層階の建物建築や
場合によっては高層建築物の外壁塗装のための仮設足場として用いるケースも見られます。
メリットとしては狭い足場の設置スペースでも設置できることや
専用工具を必要とせずハンマーだけで設置できることなどが挙げられます。
2.くさび式足場の部材の種類を紹介
基本部材構成は、主に9種類挙げられます。
緊結部付支柱、緊結部付布材、緊結部付腕木材、床付き布枠、緊結部付ブラケット、
ねじ管式ジャッキ型ベース金具、壁つなぎ、くさび緊結式足場用斜材、あるいは大筋かいといった部材です。
緊結部付支柱はくさび式足場の基本となる部材で、緊結部を備えた鋼管です。
緊結部付布材は手すりを設置しない構面に設置する布材になります。
足場の高さが2m以下毎に設ける決まりになっています。
緊結部付腕木材は、足場などを支えるための横木のような金属製の単管を指します。
床付き布枠は、文字通り床がついた布枠。
布という名前がついていますが、鋼板を使った踏板です。
緊結部付ブラケットは単管と踏板を接続する器具で、様々なサイズのものがあります。
ねじ管式ジャッキ型ベース金具は、くさび式足場のベースとなる部分です。
この金具は安全を確保するうえで重要な部材になります。
このほか、接続具の壁つなぎ、くさび緊結式足場用斜材、あるいは大筋かいといった手摺などに用いる部材もあります。
このように様々な部材を組み合わせていきますが、
メリットでお話しした通りハンマー一本で接続できるのがメリットです。
3.タイプ別のくさび式足場について
くさび式の足場には緊結方式によって2つのタイプがあり、ブリッジ型緊結方式やポケット型緊結方式が挙げられます。
ブリッジ型緊結方式はコの字状に溶接加工された緊結部をはめ込んでいくというのが特徴です。
このような緊結部の構造の様子がブリッジ型と言う名前の由来です。
ポケット型緊結方式は、布材やブラケットの部分に 直接くさび付き金具が溶接加工しています。
その溶接取り付けしてあるポケットの金具に打ち込んでいくのが特徴です。
このようにくさび式足場といってもいくつかタイプがあり、連結方法に違いがあるのを知っておくとよいでしょう。
このほかの分類として手摺先工法の種類の分類や安心感のある足場の種類の分類があります。
手摺先工法の種類は、「手すり先送り方式」、「手すり据置方式」「手すり先行専用足場方式」
といったものが挙げられます。
安心感のある足場の種類は、「手すり先行専用足場型」、「改善措置機材設置型」の2種類です。
分け方によって種類が異なる点に注目しましょう。
まとめ
くさび式足場は、ハンマー一つで設置していける足場です。
その便利さから、当初低層住宅の足場としてのみ利用されていたものが、
現在は様々な建物の足場に利用されるようになりました。
部材はベースとなる部分を中心に様々なものがあり、把握しておく必要があります。
また種類も分類によってさまざまなものがあるので、違いを知っておくのがおすすめです。